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京都議定書の発効と産業界への影響


 11月4日にロシア政府による京都議定書の批准が採択されたことにより来年2月16日に京都議定書が発効されることとなった。そもそも京都議定書とは地球温暖化防止のために2010年までの温室効果ガス(実質的にはCO2 )の排出削減を先進国に義務付ける国際的な枠組みであり、先進国のうちの55カ国以上が批准し、かつ批准した先進国の1990年における二酸化炭素排出量の合計が先進国全体の55%を超えることが発効要件となっていた。しかし同議定書が途上国に対し排出削減義務を課していないことから実質的な効果が期待できないとして、先進国の二酸化炭素排出量の36.1%を占める最大の排出国である米国が不支持を表明したために、1997年に国際条約を採択してから発効まで7年あまりを要することとなった。とかく国内では米国追従型と批判の多い日本ではあるが、地球規模の懸案事項である環境問題の全世界的な取組みにおいて主導的役割を果たした意味合いは大きい。ちなみに日本の場合、2008−12年の温暖化ガスの排出量を1990年比で6%削減しなければならないが、すでに排出量が8%程度増加しているため、14%もの削減を迫られることとなる。政府は産業界への対策を促すため環境税の導入を検討しているが、日本の産業界の最大の競争相手である中国が排出削減義務を負っていないことから日本の競争力を阻害するものとして産業界からの反発も多いと聞く。しかし近年安価な労働力を求めて日本企業が生産拠点を中国をはじめとする開発途上国にシフトさせていることがそれらの国のCO2排出量増加の一要因になっていることを考えるとそれに対し日本の産業界が応分の社会的責任を果たすのは当然のことといえよう。そういった意味では電力業界や石油業界など大量のCO2を排出する企業にとっては日本の技術を移転し途上国のCO2排出量を削減する代わりに排出権を取得する「クリーン開発メカニズム」などを活用することも現実的かつ効果的な対抗策である。既に各企業は環境負荷の低い生産工程を採用するなどの対策を進めているが、日本全体のCO2排出量の約2割を占める物流部門ではその9割を占めるトラック輸送から、船(RORO船)や鉄道などの環境負荷の低い大量輸送が可能な輸送手段へ転換する取組み(モーダルシフト)が進められている。今回の京都議定書の批准がきっかけとなり環境問題への取組みの優劣が今後産業構造の変化や業界再編への大きな流れに発展していくことは間違いない。



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