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「おばあちゃんの葉っぱビジネス」
総務省統計局の予想によれば少子化の影響で日本の総人口は2006年の1億 2,774万人をピークに2007年より減少に転じるというレポートがなされている。 出生率の低下によってもたらされる少子高齢化は様々な問題を引き起こすであろうことが指摘されているが、特に現行の年金、税制、医療制度などに与える影響は深刻である。 そもそも現行の日本の社会保障制度はピラミッド型の人口構造や人口増加を前提とした制度であり、このまま人口減少が継続すると、現役世代への負担が限りなく高くなり、破綻するのは時間の問題である。これらの課題を克服するために遅ればせながら政府も対策を検討中であるが、なかなか決定打見つかっていないのが現状だ。 そんな中、先日NHKで地方の第三セクターの興味深い取組みが紹介された。 徳島市から約2時間、人口2,000人程の上勝町は65歳以上の高齢者が60%を占めるという現在の日本を象徴する過疎化の村だが、ここに住む平均年齢80歳の 「おばあちゃん」達が年間2.5億円の収入を稼ぎ出しているという。 「葉っぱビジネス」とは、懐石料理などに添えられる葉っぱを、料理屋の求めに応じて市場に出荷するビジネスである。 その仕掛け人は「JA徳島」であるが、注目すべきは80歳代のおばあちゃん達が携帯電話やパソコンをフル活用して市場の需要に対応していることである。多いところでは年収1,000万円の家庭もあるという。 そのしくみはJA徳島が各地の市場から受注した注文一覧表を防災無線を通じた FAXで100人余のおばあちゃん宅に一斉に流す。おばあちゃん達はそれを待ちかまえていて「自分が出荷したい葉っぱ」を電話や携帯電話でJA徳島に連絡する。 それから2時間、午後1時までに落札した商品を整えJA徳島の集荷場に納入する。 その商品は翌日の各市場の競りに掛けられ、その情報は直ちに各おばあちゃんのパソコンに送信されている。パソコンデータには、その日の売上、その日までの累計売上、 「葉っぱビジネス」のおばあちゃんの売上順位まで表示されている。おばあちゃん達はパソコンのデータをもとに自分の商品がいくらで売れたか、また今日は安く売れてしまったから明日は出荷量を減らそう、とか、葉っぱを加工してオリジナルの商品を作って単価を上げよう、とか、企業顔負けのさまざまな戦略をたてている。 高齢化社会の問題となると、我々も含めて、すぐに生活保護や福祉の原資をどこで確保するかという画一的な視点でものごとを捉えがちだが、本当に高齢者達が求めているのはそのようなお仕着せの恩恵ではなく、この事例の様に自活しているという満足感と生きがいを得られるような取組みなのではないだろうか。地域に根ざした人々ならではの鋭い着眼点と発想に目からうろこが落ちる思いでした。 (終) 2006年2月6日 |
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