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「歌舞伎」 (2)

 初めて歌舞伎を観る人が楽しむには、好きな歌舞伎俳優を見つけるとかオペラ同様、前もってあらすじを知っておくと良いと言われます。歌舞伎の演目には貴族や武家社会を題材にした「時代物」、庶民の生活を取扱った「世話物」、大正時代から昭和初期に書かれた「新歌舞伎」などがあります。
 歌舞伎はその独特なメイク、様々な仕掛け、舞台構成などにより視覚的にも楽しむことが出来ます。幾つかの見所をご紹介しましょう。

隈 取  歌舞伎で最も印象的なメイクです。力を入れた時に盛り上がる血管や 筋肉を誇張して
        表現します。役柄により隈取の色やメイクの仕方が異なり、赤は正義の味方役の若さや
        勇気を表し、青は大悪人や亡霊、茶は妖怪など邪悪を意味します。

見 得  見せ場になると役者が動きを止めて、正面を見据えるキメのポーズ。
        この時に、役者の屋号「中村屋!」などと観客から掛け声がかかります。

花 道  舞台の一部であり、特別な見せ場に使われます。

引 抜  演技中、一瞬にして衣装を替える技法。

宙乗り  空を飛んでいるように見せる演出。観客の頭上を飛んだり、三階席まで上がったりと
        スリル満点です。

黒 子  演技中に役者の手助けをする人のこと。歌舞伎では黒は無を象徴する色なので
        この黒子の姿は「見えないもの」と考えるのが約束。 背景に合わせて黒以外の
        色にすることもあります。

 また、前述の演目のほかに「歌舞伎舞踊」といって台詞があるものと全く台詞のない場合がある演目があります。歌舞伎舞踊にとって音楽は不可欠。ここでいう音楽とは太鼓、鼓、笛などと共にナレーションの役割をする義太夫、長唄などが含まれます。ナレーションといっても普通の音読とは異なり独特の節をつけて語られます。音楽によって舞台の出来、不出来を左右すると言っても過言ではありません。 音の効果では、拍子木もまたその役割を発揮します。物語の進行に応じ、バタバタと叩いてその独特な響く音で役者の演技を際立たせます。

 歌舞伎といえば以前は中高年層の愉しみという印象を持たれていましたが、能や狂言とともに歌舞伎の世界も若い世代の役者さんの活躍によって、ここ数年若い人達にも大変人気があります。一度はまってしまうと病みつきになるくらい面白いという声もよく耳にします。こうして果てることなく受け継がれていく伝統芸能は日本の誇りとも言えましょう。 (終)


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