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「雅楽」
| 日本の「雅楽」は、日本古来の歌と舞、古代アジア大陸から伝来した器楽と舞が日本化したものおよび、これらが融合して出来た音楽です。平安時代中期に、貴族のたしなみのひとつとしてこれらの音楽が隆盛を極め、優雅な形式に整えられて今日の形に完成しました。その後は今日に至るまで皇室の保護のもと、宮廷、貴族社会、有力寺社などで伝承されており、第二次世界大戦後に今の宮内庁楽部が中心となってさまざまな雅楽会が成立し、一般においても雅楽が普及するようになりました。このように「雅楽」は平安時代に完成された後はほぼ原形のまま現存している世界最古の合奏音楽といえますが、一般の日本人が直接楽しめるようになったのは、ほんの数十年前であったといっても過言ではありません。「雅楽」とは、「俗楽」に対する語で、正統な音楽という意味ですが、このことからも日本における「雅楽」の特殊な位置づけが伺えます。 雅楽の種類は大まかに分類すると次の3つになります。 (1) 日本で古来から歌い継がれてきた「国風(くにぶり)の歌舞」。神話の世界で歌われたとされるものが 起源といわれ、多くは儀式用。 (2) 外来音楽を基として作られた、唐楽や高麗楽等、大陸系の楽舞。 (3) 外来音楽の影響を受けて平安時代に作られた、催馬楽(さいばら)と)朗詠(ろうえい)の「歌物」。 貴族が宮中で楽しんだ歌曲。 また、演奏形式は器楽を演奏する「管弦」と、舞踏を主とする「舞楽」、声楽を主とする「歌謡」とに分かれています。管弦で用いられる雅楽の楽器は笙(しょう)、篳篥(ひちりき)等の管楽器、琵琶等の弦楽器、そして楽太鼓等の打楽器があり、今現在の管弦にはこれら計8種類の楽器が用いられます。その他管弦以外では、神楽笛などの楽器が使われています。上にあげた楽器の中でも、雅楽というとまず笙のイメージが印象的かと思います。笙の独特の形状は鳳凰が羽を休めてとまっている姿によくたとえられ、風雅な音色は「天から差し込む光」と形容されてきたほどに美しい音色とされています。また、主旋律を奏でる篳篥(ひちりき)は大陸的で力強く雄大な音色で、聞き手を圧倒します。 雅楽は現在宮中の行事の際に演奏される外、全国各地で公演が行われ、一般にも公開されています。雅楽は日本の伝統音楽として、日本が世界に誇るべき芸術文化であり、その音楽的あるいは歴史的価値は高く評価されています。雅楽の特殊な音階は、他の様々な音楽の音階の中でも特に旋律が美しいといわれ、現代音楽にも多くの影響を与えています。かつて平安貴族たちは舞を舞うときには冠に季節の花を挿して楽しみました。スピード社会である今でこそ時には、月がきれい、花がきれいだといっては管弦の遊びを楽しんでいた古い時代の貴族たちの典雅な気持ちを思い描きつつ、「雅楽」を楽しんでみてはいかがでしょうか。 (終) |
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