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「日本社会の変貌」
| 過去半年間本コラムでは、外国人に日本人をよりよく理解してもらうために日本人的な価値観や習慣を事例をあげてわかり易く説明することを目指してきた。多分に筆者の個人的な価値観や主観が反映されていると思うが、これから日本でビジネスをスタートしようとする外国人にとって少しでも参考になればと思う。ただ、この半年間コラムを書いてきて日本が大きく社会的変革を遂げつつあるのではないかと感じている。 経済面では、戦後の高度経済成長期を支えた政官財一体の保護主義的な護送船団方式が機能しなくなり、従来の共存共栄、協調を旨とする産業構造が崩壊し、新たな秩序が再編されつつある。様々な参入障壁や規制のもとで恩恵に浴してきた金融や建設、不動産業は弱体化し、代わりに自助努力によって国際競争力を身につけた自動車産業や半導体製造業が経済を牽引するようになった。また従来は参入障壁や規制のもとで排除されてきたヤマト運輸やドンキホーテの様な企業が規制緩和や自由競争を求めて内側から社会に新たな付加価値をもたらそうとしている。全体最適化への流れは年功序列制度や終身雇用制度、系列等家族主義的、農耕民族的なシステムを崩壊させ、代わりに機能本位、狩猟民族的なシステムに生まれ変わろうとしている。 スポーツの面でも、従来の日本のスポーツ選手は人生の100%を競技に捧げ、プレーの面のみならず生活面に至るまでまるで修行僧の様にストイックに指導者の指示に従うことが美徳とされてきた。従って実力がありながらも国際大会で自分本来の力を発揮できなかったり失敗することを恐れるあまり不本意な結果に終るシーンを我々は何度も目にしてきた。しかし、最近は野球の野茂やイチロー、サッカーの中田やゴルフの丸山などの様に、単身異国に乗り込み世界の舞台で活躍する選手が出現している。彼らに共通することは日本にいるときは指導者と対立しながらも自分自身のスタイルを頑なに守りつづけてきた異端児であったことである。 政治の面でも、かつて米ソ冷戦時代は日本は平和憲法と日米安全保障条約の傘の下で国際社会の中である意味安定した居場所を確保してきた。しかし、湾岸戦争以降、わが国も第三国の紛争に対して無関心でいることが許されなくなった。それは取りも直さず日本という国が漸く戦後の猶予期間を脱し国際社会の中でそれなりに重要な位置を占め、それに応じた責任を果たすべきだという認識をもたれるようになったためだと思う。 斯様に社会の様々な面で、日本人が自立し、アイデンティティーを求められる様になったことはある意味日本の社会が成熟し、日本の社会の特殊性を内部から突き崩し、グローバルスタンダード化への道を歩み出したことを示しているのではないであろうか。 (終) |
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