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「日本プロ野球の閉鎖性」

 プロ野球オーナー会議において、野球協約で認められた代理人交渉が認められたのはつい2000年11月2日のことである。しかし依然として代理人を伴った契約更改交渉は一般的ではない。日本一の人気球団である読売ジャイアンツの渡辺オーナーは、「うちのチームにはくだらない代理人をつれてくるのはないだろう。」とか「もし連れてきたら(給料)をカットする。5,000万、6,000万儲かると思ったら大間違い。2,000万、3,000万下げるだけだ。嫌なら自由契約だ。」などと露骨に選手に圧力を掛けてきたという。そんな中、ジャイアンツの上原、入来両投手が事実上の代理人交渉を要求した。上原選手の場合は、実質的な代理人交渉が行なわれ、その結果合意に至ったにも関わらず、オーナーに対する配慮のためか、前述のオーナー会議で確認された内容である「一週間前までの代理人の氏名、弁護士登録番号などの文書による通知」が行なわれなかったという手続き上の不備を理由に本件を代理人交渉と認めないという奇妙な発言が球団社長より事後になされている。また入来選手の場合は、同選手の代理人の話によれば代理人を使いたいとの要求を球団に伝え、ファクシミリによる代理人としての通知を行なうことを述べたところ、それを思いとどまるよう説得を受け、これを拒否して代理人としての通知をファクシミリにて送信したところ、日本ハムファイターズへのトレードを通告されたという。
 実際問題として、選手個人が交渉のプロである球団関係者と対等に契約更改交渉を行なうことは難しい。ましてや謙虚さを美徳とし、お金に執着することをみっともないと考える日本人にとって、自分の業績をたとえそれが正当なものであったとしても面と向かってことさら主張することは難しい。交渉はプロに任せ、自分は本業である野球に没頭したいと考えることはプロ野球選手にとって至極当然なことと思う。話はそれるが、大リーグへ挑戦しようとする選手が出るたびに、プロ野球界のOBなどから「裏切り者」や「恩知らず」といった発言が繰り返される。当たり前のことが当たり前にできない事、そこに日本プロ野球界の閉鎖性がある。 (終)


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