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「度重なる重大事故」

 企業の不祥事が相次いでいる。最近の例では鳥インフルエンザの感染疑惑を隠蔽し、感染した鶏を出荷したことにより社会的責任を問われた兵庫県の養鶏会社で会長夫妻が自殺に追い込まれ、息子である社長が逮捕された。また六本木ヒルズの回転ドアで過去に事故が相次いでいたにもかかわらずそれを公表しなかった為に対策を疎かにし子供を圧死させてしまった事件などが有名であるが、雪印食品の偽装牛肉事件やブリジストンの工場火災、出光興産のタンク火災、自動車会社の相次ぐリコール隠しなども記憶に新しい。共通しているのは初期動作を誤った為に小さな事故を会社自体の存続をも揺るがしかねないような大問題に発展させてしまっていることだ。

 このような事件が頻発している背景には幾つかの理由が考えられる。まず、外的要因としては長期に亘るデフレの中でコストの安い中国製品に押され極度の合理化を迫られた結果、全てにおいて余裕がなくなり充分な品質管理が行き届かなくなったことや業績悪化による経営者のモラルの低下など。内的な要因としては社外のチェック機能が働きにくい日本独特の企業風土によるもの。情報開示の意識が低いことが訴訟が起き難いシステムと相まって、一般社会との常識のずれや、事件の及ぼすであろう社会的影響の大きさに鈍感な風潮を生み出している。

 これらの要因は根本的には日本独特の家族主義的な会社組織に根ざしている。だが筆者はこれを否定はしない。家族主義的で排他的な制度は会社への忠誠心や社員の高い教育レベルを育て、日本製品の品質の高さという強みを維持する原動力となってきたからだ。しかし不況時になると上記の様な弱さを露呈することも事実。また、最近のフリーター急増はその制度を内部から突き崩そうとしている。いったい日本企業は、欧米的な開かれた会社制度とどこで折り合いをつけようとしているのだろうか?(終)


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