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「雅子妃の苦悩」
| 5月12〜24日に掛けてのデンマーク、スペイン、ポルトガルの訪問に先駆けて皇太子が行なった記者会見の内容が波紋を呼んでいる。3カ国の訪問にあたっての抱負を尋ねられたのに関連し、長期療養中で、今回の外遊に同道かなわなかった雅子妃の現在の様子、回復の見通しについて触れたのだが、その中で、雅子妃の体調不良の原因の一つとして、皇室の古い体質や、雅子妃の人格を否定する動きがあったということを挙げ、いわば皇室批判、あるいは宮内庁批判とも取られかねないような発言を行なったのである。皇族がこのような発言を行なうことは極めてまれである。従来皇族に関する報道は宮内庁により厳しく統制されており、我々の目に触れる皇族の姿はあるべき皇族の姿をステレオタイプに描いたものが殆どで、皇族の生の声や個人的な意見を耳にする機会は殆どない。そのありさまは目的、意図は異なるにせよ、情報を操作しているという意味においてあたかも北朝鮮の報道をさえ思い起こさせる(この不自然な状況に関しては、なぜかマスコミ各社もあえて触れようとせず、放置されている)。 そのように外界から隔絶された世界の中で、所謂民間人から嫁いだ雅子妃の苦労は察して余りある。女は子供を産むことこそが仕事、しかも後継ぎは男の子であるべきという封建的な価値観が支配する中で、優秀な外交官としてのキャリアや人格を否定され、皇室外交という彼女自身の夢をも奪われた彼女の感じてきたプレッシャーや苦悩は知る由もないが、その真情は長年の苦労の末に敬宮愛子を出産後初めて記者会見された雅子姫が涙ぐみながら思わず漏らした「生まれてきてありがとうという気持ちでいっぱいになりました」という言葉に凝縮されていた。しかし、愛子姫が女の子であったため、雅子妃は、改めて皇室存続のために男子を産むという責任を負わされている。皇太子の今回の発言が雅子妃の助けとなり、それがきっかけとなり、皇室が開かれた世界となることを望みたい。(終) |
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