今や海外でも愛好者の多い盆栽。今回はその盆栽の歴史、定義、楽しみ方についてご紹介します。
盆栽の「盆」は陶磁器の器(=鉢),「栽」は植えるを意味します。植物を鉢に入れて育てる意味では普通の鉢植えと同じですが、その目的には大きな違いがあります。鉢植えは植物自体が持っている美しさを楽しむものですが、盆栽は自然の植物の持っている美しさを保ちつつ、それ以上の美を追求、形成し、鑑賞するものです。鉢という限られた空間の中で、1メートルにも満たない大きさでありながら、自然に備わっている立派な老木を思わせ、風格を感じさせる壮大な世界を創る芸術。樹木の生命を大切にし、その自然美を鑑賞する文化。これは日本人が昔から自然のひたむきに生きる様やはかなさを好む日本独自の文化と言えましょう。
鉢植えで育てられる草木であればどんな種類でも盆栽としても楽しむことができます。特に松や秋に紅葉するモミジやカエデ、春に美しい花を咲かせる桜や梅などは人気があるようです。
海外でも各国の気候風土に適した樹種で盆栽を楽しむことが出来ます。樹種の性質を見極めて、その長所を最大限に伸ばしてあげることが美しい姿に整え育てていく為の大切なポイントです。その過程では枝を切ったり、芽を摘んだり、針金で曲げたりすることがあります。そんなことをすると、かわいそうに思えるかもしれませんが、美しい姿に整えるという目的のためだけでなく、鉢の中という限られた条件のもと、樹木が健康に育っていくために必要な作業でもあるのです。また、盆栽は樹木が生長を続ける限り、完成はなく、毎日手入れをしてあげなければなりません。
盆栽は中国から伝わりました。約2,000年前には既に中国の文献には盆栽が存在したことが記されています。
その後、韓国へ渡り、日本へ伝わりました。 日本では平安時代 (794 - 1184)に盆栽が始まり、茶道や能などと共に栄えていきます。
当初は身分の高い貴族や僧侶などの間で楽しまれていましたが、江戸時代(1603
- 1867)になると庶民の間でも広く楽しまれるようになります。この頃、日本独自の鑑賞のためのスタイルが整えられ、明治時代(1868
- 1911)には芸術的見地から本格的な美の追求が始まりました。昭和20年頃になると、海外でも盆栽を楽しむ人が増え、今では「Bonsai」が世界で通じる言葉になり、国際的に普及しています。(終)
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